外交部(日本の外務省に相当)が選抜した40名の「国際青年大使(Youth Ambassador)」が2日から11日まで、カリブ海に位置し、中華民国(台湾)と正式な外交関係のある(国交樹立国)セントルシアを訪問する。外交部では8月31日午後、呉釗燮外交部長(=外務大臣)が「国際青年大使交流計画」の代表団出発に伴う国旗の授与式を執り行った。今年は初めて労働部(日本の厚生労働省に類似)と協力し、調理の「国手」(国際的な大会に台湾を代表して出場する選手)の学生4人も選抜。式典には労働部の許銘春部長(=大臣)とセントルシアのRobert Kennedy Lewis駐中華民国大使も出席して「青年大使」たちが台湾の外交のため力を尽くすよう激励した。
呉外交部長はあいさつの中で、国の発展と繁栄にとって若者たちは極めて重要であるためセントルシアも台湾も若者を非常に重視しているとし、「『国際青年大使』はその一人ひとりが両国の友情を深める架け橋になれるのだ」と述べた。呉外交部長はまた、セントルシアは美しい国だとしてこれから訪問する「青年大使」たちをうらやむと共に、「みな台湾にとって最高の代表だが、任務を終えたら帰ってくることを忘れないで」とユーモアを交えて激励した。
労働部の許部長は外交部が今回、調理を学ぶ学生も「青年大使」に選んでくれたことに感謝、「学生たちは国際的な視野を広げることが出来る。また調理を通じてセントルシアの若者たちと交流することで両国の友情をより揺るぎのないものに出来るはずだ」と期待した。
「青年大使」を代表してあいさつした林大禾さんは、「代表団には様々な能力を持つ者がそろっている」とした上で、「一人ひとりがチーム全体と国家を代表して、我が国の若者たちが持つ新たなものを生み出す能力と希望をセントルシアに伝え、前向きな影響力を届けたい」と決意を語った。
会場では今回セントルシアを訪れる「青年大使」である調理の「国手」たちがカットフルーツの盛り合わせ、飾りパン、カクテルの製作やフルーツカービングの実演を行ったほか、文化的なパフォーマンスを学ぶ「青年大使」たちは音楽とダンスのダイジェスト版を披露してその熱意と活力を表現した。
外交部の「国際青年大使交流計画」は2009年にスタート。これまでに約1,800人の優秀な大学生らを「青年大使」として国交樹立国や友好国に送り込み、交流させてきた。新たな世代が工夫を凝らし、若者の視点で台湾を紹介すると共に台湾の優れたソフトパワーを伝えている。若者たちの国際参与を政府が後押しする重要なプロジェクトでもある。